b型肝炎、パートナーの感染が判明した場合

b型肝炎、パートナーの感染が判明した場合

b型肝炎とはb型肝炎ウイルス(HBV)によって発症する病気です。HBV感染者は世界中で20億人いると言われ、誰もが感染する可能性があります。近年は性行為による感染者が増加傾向にあり、身近なパートナーから感染させられるケースも多くなってます。

自分の体は自分で守るためにも、きちんと予防法を熟知しておく事が大切です。

急性b型肝炎の特徴

b型肝炎は急性と慢性に分かれるのですが、そのうち急性b型肝炎は大人になって初めてHBVに感染する事で発病します。感染した後に数か月の潜伏期間を経て倦怠感や食欲不振、吐き気などの症状が現れます。さらに皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸が出てくる事もありますが、これらの症状は基本的に数か月で治癒します。

ただし急性感染の場合は1~2%の確率で劇症肝炎を発症するケースがあります。劇症肝炎は急激に肝細胞が破壊されていくので症状が重く、40℃近い熱を筆頭に酷い倦怠感、繰り返し起こる強い吐き気などが一度に現れるのです。

さらに肝機能が低下するので、解毒されないアンモニアが脳にまわって意識障害となり、最終的に死に至ります。劇症肝炎は発症した場合は70~80%の確率で死亡する恐ろしい病気です。一方で急性肝炎の中でも自覚症状がないまま自然に治癒する不顕性感染で済むケースもあります。

慢性b型肝炎の特徴

慢性b型肝炎はHBVが感染した後に体から排出されず、6ヶ月以上にわたって肝臓に住み続けて発病します。ほとんどが出産時や幼児期に感染しているのですが、基本的に症状はほとんどありません。そのため健康診断で血液検査を受けた時に肝機能の数値の異常が見られ、それがきっかけで気付くケースが多くなっています。

慢性肝炎の場合は急性肝炎ほど症状が強く出る訳ではないですが、放置しておくと肝硬変や肝臓がんへと進行する事もあるので、病気が進む前に治療を受ける事が大切になります。

関連:特別措置法って何?押さえておきたいb型肝炎の基礎知識

b型肝炎の感染経路

HBVは感染者の血液や体液に含まれます。唾液や涙、汗などからウイルスが見つかる事もありますが、ウイルス量は限りなく少ない事から空気感染や経口感染することはありません。つまりHBV感染者と握手する事や抱擁、一緒に食事・入浴、軽いキス程度ではうつる事は無いのです。

ウイルス量が多いのは血液や精液、膣分泌液となるため、母親から子への母子感染、医療事故、性行為、麻薬使用時の注射器の使いまわし、不衛生な場所での入れ墨やピアスの穴あけなどに限定されます。ちなみにこれらの感染経路は垂直感染と水平感染に分けられます。

垂直感染は減少傾向にあり

垂直感染は母から子への母子感染のみになります。母子感染は母親がHBVに感染していると、出産の際に産道で血液に触れる事になり、赤ちゃんに感染させてしまうというものです。乳幼児は体の免疫力も低いためHBVに感染しても体外へ排出する事が出来ず、ずっと肝細胞に住み続ける事になります。

そして症状が現れない無症候性キャリアとして成長していく事になるのですが、体の免疫機能が発達する思春期以降になるとウイルスを体外へ排出させようと肝細胞を攻撃して肝炎が発症します。肝炎の症状も軽く済みますが、この中で約1割の人が慢性肝炎へと進行してしまいます。

以前は多かった母子感染ですが、現在は出産する時にきちんと母子感染対策がとられているので、母親から子への感染はほとんど報告されていません。

水平感染、要注意は性行為

水平感染は母子感染以外の経路になります。昔は医療従事者の針刺し事故やウイルスに汚染された血液を輸血するなど、医療現場での事故による感染が多く報告されていましたが、近年は事故が起こらないよう対策がとられているため、医療現場での感染は限りなく0に近くなっています。

一方、覚せい剤など違法薬物を使う際の注射器の使いまわし、消毒処理が行われていない器具での入れ墨やピアスの穴開け、性行為による感染が増加傾向にあり、中でも増加率が顕著なのが性行為による感染となっています。

水平感染は大人になってからの感染で、感染しても70~80%の人は肝炎を発症せずに自然治癒しますが、残りの20~30%の人が急性肝炎を発症させてしまいます。

パートナーがHBV感染者の場合

自分の身近なパートナーがHBVに感染している事も有り得ない話ではありません。不幸な事に乳幼児期に感染したケースもあれば、大人になって性行為によって感染した場合もあります。まずパートナーがHBVに感染し、急性症状が出ている場合は治療に専念して貰う事が先決です。

倦怠感や吐き気など症状が重ければ入院する事もありますが、安静にして肝臓を休めると基本的には2~3ヶ月程度で治癒します。肝炎が治ったと判断出来るのは、体の中にHBs抗体が出来た事が判明した時です。HBs抗体が出来れば完治と判断出来ますが、人によっては半年ほど時間がかかる事もあるので、きちんと医師の診断を受ける必要があります。

そしてパートナーがHBVキャリアである場合は、特に症状が酷くなくても感染する可能性はあります。コンドームを使った性行為は感染予防に効果はありますが、実はHBVはHIVより感染力が強いため、コンドーム無しのオーラルセックスでも感染する可能性はあります。

コンドームさえ使っていれば感染確率も低くはなりますが、より安全を考えるとワクチンの接種が有効です。ワクチンを接種しておけば、パートナーがHBVキャリアであっても感染を予防する事が出来るのです。

普段の生活で気をつける事

パートナーがHBVに感染している場合、ワクチンを接種しておく事や性行為にはコンドームを使用する事で予防は可能です。

ただ一緒に生活していく中で、いくつか気をつけなければいけない事もあります。特に血液には要注意で、怪我をした時や鼻血が出た時は出来るだけ自分で手当てをして貰う事、そして血液が付着した物は紙に包むなどしてむき出しの状態にさせない事です。

またカミソリや歯ブラシなど血液が付着する恐れのあるものは共有しない、トイレへ行った後は必ず手を洗う、子どもがいる場合は口移しで食べさせない等も大切な事です。必要以上に怖がる必要もありませんが、HBVは意外と感染力が強いという事は頭に入れておかなければいけません。

自分自身が注意していく事も大事ですが、HBVキャリアのパートナーにも周りに感染させないように気をつけて貰う事が大切です。